こんにちは。元大手靴量販店で紳士バイヤーをしておりました、むねと申します。
皆さんは、毎日のお仕事の必須アイテムである「ビジネスシューズ」をどのように選んでいますか?
毎日履く靴だからこそ、快適に履きたい。
毎日履く靴だからこそ、見栄えはできるだけいいのがいい。
毎日履く靴だからこそ、すぐダメになるしできるだけ安いほうがいい。
など、たくさんのお悩みがあると思います。
今回はズバリ、「原価構造から見るコスパのいい靴」をご紹介。
今後皆さんがビジネスシューズを選ぶときにここを見れば、店員さんから「この人靴知ってるな」と思われるビジネスシューズの選び方や原価構造を通して、損をしないビジネスシューズの選び方をご紹介します。
靴の原価はどうやって決まっているの?
靴の原価構造をすべて説明しようと思うと、多くの専門知識が必要になります。
そこで、今回はコスパのいい靴を選ぶのに必要な原価構造を大きく4つに分けてご紹介させていただきます。
靴の原価は、
①生産国(製造国)
②使用している素材
③製法
④製造工程
の4つに分けられます。それらを解説していきます。
①生産国(製造国)
生産国とはその名の通り、「靴を製造した国」のことです。
靴における、「生産(製造)」とは、
アッパーと呼ばれる、上物素材と
ソールと呼ばれる底材を接着させた場所(国)のことです。
例えば、素材は海外のものでも、接着した場所が日本であれば、
生産国表記は日本と表記にすることができるということです。
え?そうなのと思った人も多いはず!!
私も最初知ったときは「詐欺じゃん!!」と思ったことを覚えています。
また、革靴は輸入するときに関税(税金)がかかります。
一般的に商品販売価格(税抜き)の6.7%が関税としてかかります。
つまり、商品販売価格には関税分も含んで価格設定されているわけです。
例えば、10,000円で販売されている商品は、670円が販売価格に上乗せされています。
ですが!!!!
輸入しても税金がかからない国があります。
それが、「特別特恵受益国(以下特恵国)」です。
特恵国とは「開発途上国の経済発展のため一般の税率より低い税率を適用する制度」です。
特恵国から輸入した商品は低率関税もしくは無税になります。
そのため、特恵国で生産されて靴は、通常国から輸入するよりも価格が安くなる傾向があります。
なので、生産国から見るコスパにいい靴の条件はズバリ
「特恵国」産の靴を選ぶということです。
靴自体の素材や製法などの条件が同じであれば、同パフォーマンスのものが安く買えるということになります。
※特恵国一覧は下記のURLを参考にしてみてください。
財務省関税局
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1504_jr.htm
②使用している素材
素材と聞くと、「革」と思い浮かべる方が多いと思いますが、靴に使われている素材には
たくさんの種類がありますが、ここでは原価の高い素材のみに絞りご説明させていただきます。
原価の高い素材は
甲素材(アッパー材)です。
甲素材とは、①の生産国でご紹介した、アッパーを構築するのに必要な素材です。
コストの大半は甲素材といってもいいくらい、原価がここにかかっています。
甲素材の種類には、
- 本革と呼ばれる、牛をはじめとする、豚、馬、羊、水牛、鹿、イノシシ、ワニなどの動物の皮を加工(なめす)した素材
- 人工皮革と呼ばれる、基布に不繊布を、表面樹脂層にポリウレタ ンを使用して革によく似せた素材
- 合成皮革と呼ばれる、スポンジ状の塩化ビニルの表面にポリウレタン系またはポリアミド系の合成樹脂を塗布した素材
の3つに分類できます。
この3つそれぞれ特徴がありますが、結論から言うと私が考えるコスパのいい素材はズバリ
「本革」です。
本革は、合成皮革や人工皮革よりも素材自体の価格は高いです。
ただ、耐久性が圧倒的に本革のほうがよく、足に馴染んでくるなど特徴があります。
一般的に本革の耐久性が7年~10年に対し、人工皮革や合成皮革は約3年ほど。
そのため、価格÷使用年数で考えてみると本革のほうが圧倒的に
コストパフォーマンスがいいと言えるのです。
購入時の価格は高いかもしれませんが、長く履けるビジネスシューズは
結果として、1年間分のコストと考えるとお得なことがわかります。
それ以外の、本革と人工皮革/合成皮革の違いは下記になります。
やはり、いろんな特徴を見ても、本革のほうがいいと感じてもらえると思います。
また、普段靴磨きなどはしないけど、趣味として靴磨きなどをしてみたいなど
思ってる方なら、断然本革がおすすめです。
靴磨きをしながら、コーヒーを飲む、男のたしなみとしていかがでしょうか?
③製法
靴の製法と聞くと、あまりピンとこない方が多いと思います。
私も靴屋に就職するまでは、製法なんて考えたこともなかったことを覚えています。
靴の製法とは、①の生産国でご紹介した、アッパーとソールを接着/接合する方法のことです。
製法の種類には大きく分けて
- 圧着式 → 靴用の接着剤にて圧着機を使い、プレスし、接着する方法(代表製法名:セメンテット製法)
- 縫付ける製法 →その名の通り、糸でアッパーとソールを縫い付けて接着する方法(代表製法名:グットイヤーウェルト製法・マッケイ製法・ステッチダウン製法など)
の2つがあります。
こちらも結論から言うとといいたいところですが、
製法に関しては甲乙つけがたいのが正直な感想です。
圧着式の製法は、現在流通している約6割~7割以上はセメンテット製法です。
流通の要因は、製法上の工程が少なく、安価に簡単に接着できることです。
また、どなたでも1足は持っている「スニーカー」と呼ばれる靴種もセメンテット製法が用意られています。
一方、縫い付ける製法は製法上の作業が多いことと、手縫いや機械化両方にコストがかかることから
一般的には高級ビジネスシューズに多く用いられます。
そのため、双方の特徴を理解しておくことが、コスパのいいビジネスシューズを引き当てる方法です。
製法の特徴については下記になります。
最低限上記を理解しておくことをお勧めします。
④製造工程
製造工程に関しては、靴を構成するパーツ(革を裁断した靴を構成する部品)の種類によって様々ですが、
ビジネスシューズを一足作るのに、細かいパーツを合わせると150~200パーツほどで構成されています。
原価構造の観点から考えると
パーツが増える → 作業工程が増える → 原価が上がる
という構造になっています。
つまり、同じ生産国で、同じ材料、同じ製法であれば、製造工程が少ないほうが原価が低く
製造工程が多いほうが原価が高くなります。
上記の2足の靴は 同じ生産国で、同じ材料、同じ製法 で使っているパーツと製造工程のみが違います。
その場合、原価が高いのはAになります。デザイン性を高くするために、パーツをたくさん使っている
Aは原価が上がります。
一方で、Bはシンプルなデザインで、使うパーツも少なく、製造工程も少ないため
原価は安くなります。
そのため、製造工程から見るコスパがいい靴はズバリ
同じ生産国で、同じ材料、同じ製法 で同じ価格であれば断然、Aのようなデザイン性が高い
靴のほうがコスパがいいことになります。
一般的に流通していて、量販店でも見つけやすいスタイルで言うと
ウィングチップやストレートチップ等のデザインが該当します。
間違ってはいけないのは、同じ商品で価格も同じ場合です。損しないために、理解しておきましょう!!
まとめ
原価構造から見る、コスパのいいビジネスシューズとは
生産国:特恵国 ※バングラディッシュ産がおススメ
素材:本革
製法:製法を理解し、自分の用途によって選び分け
製造工程: 同じ生産国で、同じ材料、同じ製法 で同じ価格 であれば、使用パーツの多いもの ※ウイングチップかストレートチップがおススメ
今後も元靴バイヤーの目線から、いろんな情報を発信していきます。
今回ご説明した条件から見た、おすすめビジネスシューズURLを掲載しておきますので
気になる方はどうぞ!!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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